人口100万人当たりの検査数は世界の219の国と地域の中で、日本は150位前後と低いままで、100万人当たりの死亡率は15人と、感染を比較的に抑え込んでいる中国、韓国、台湾などの東アジア諸国の中でも突出して高くなっている。

 検査などがなおざりにされているから、ウイルスが変異するたびに、周期的な感染拡大の波が押し寄せてくる。

 徹底検査をしなければ、無症状者を見逃し、そこから感染が拡大するからだ。外出や営業などの自粛で陽性者数が一時的に減っても、自粛によって無症状のまま街中に感染者が潜ることにもなり、経済活動を再開すると感染者数が一気に拡大することになる。

 政府は「ウィズ・コロナ」あるいは「新しい生活様式」を掲げてきたが、結局は、自粛か経済活動か、というジレンマに陥ってしまう。

感染防止との「両立」言いながら
「Go To」にこだわった首相

 菅首相は「感染拡大の防止と社会経済活動の両立に全力で取り組む」と言ってきたが、実際はGo Toキャンペーンをはじめ経済活動を再開することに重点を置いてきた。

「Go To」事業には、医療の専門家だけでなく少なからずの人が感染を拡大させる懸念を指摘してきたが、安倍政権の官房長官時代から自身が旗を振ってきた政策だったこともあり聞く耳を持たなかった。

 外食や旅行などの「自粛」で経済的に厳しい状況に追い込まれている事業者の苦境を救う対策は考えるべきだが、徹底した感染防止対策が行われないと、自粛と感染拡大がいたちごっこのようになる。

 トランプ前米大統領をはじめボリス・ジョンソン英首相、ブラジルのボルソナーロ大統領らは皆そうした方針をとって、結局、政策が破綻した。

巨額の財政赤字で支える限界
ますます異常になる金融緩和

 これまで政府が行ってきたコロナ対策は、検査や医療体制の拡充といった抜本対策よりも財政支出や金融政策で需要を支えることに重きが置かれていた。

「Go To」事業のように自らが感染拡大を引き起こしながら、財政で給付金などをばらまいて「救済」する、マッチポンプのような詐欺商法に似ている。

 その結果、財政支出も膨らむばかりだ。売り上げが急減した事業者への持続化給付金や雇用調整助成金の拡充など必要なものもあるが、財政でずっと支えるのには限度がある。