今期4~6月の第1四半期連結決算では、新型コロナ感染症の世界的な拡大による世界販売の大幅減少により、ホンダの営業利益は1136億円の赤字に転落したが、これもほぼ四輪事業の減退が主因となった。

 だが、7~9月の第2四半期及び中間期(4~9月)連結決算では、営業利益1600億円で一転しての黒字となり、今通期(2020年4月~2021年3月)の営業利益見通しを4200億円に上方修正した。

 第1四半期の赤字転落から一転しての黒字化は、中国市場の急回復によるものだ。今やホンダはかつての「北米一本足打法」から、中国主導の「二本足打法」が収益源となっている。むしろ、ホンダの収益源は米国よりも中国に比重が置かれてきているのだ。

 事実、7~9月は、その中国でのホンダ車販売が単月で過去最高を更新しているように業績全体の好転は「中国の恩恵」ともいえる。

 このように、ホンダの今期業績はコロナ禍で赤字転落も予想されたが、持ち直して黒字を維持する方向にある。

 とはいえ、主力の四輪事業全体の採算性、収益力の立て直しは根本的な命題だ。売上高営業利益比率を見ても、ホンダの四輪事業は18年3月期の3.5%から19年3月期には1.9%まで低下した。トヨタが8%から10%で推移していることと比較しても格差が大きいし、製造業平均で見ても5~6%である。「四輪事業で儲からないホンダ」が露呈したのだ。

四輪事業の採算性が悪化したのは
「世界拡大路線の失敗」

 ホンダの四輪事業の採算性が悪化したのは、「世界拡大路線の失敗」といわれる。世界6極による生産・販売600万台体制を睨(にら)んだ戦略だったが、結果的に生産能力と販売力にギャップが生まれ生産能力過剰となった。また、6極の専用車開発などのコスト高拡大に加え、品質問題が重なったことで収益力を失ってきたことが挙げられる。

 2015年6月に就任した八郷隆弘ホンダ社長は、この拡大路線の修正に追われてきた。グローバル生産能力拡大による需給ギャップ調整は、21年までに英国工場、トルコ工場、アルゼンチン工場閉鎖の経営判断につながった。そして、ホンダ城下町である埼玉・狭山工場の閉鎖が21年度中となった。

 一方で、ホンダ創業以来の開発別会社方式だった本田技術研究所を解体して市販車の開発をホンダ本体に吸収し、未来技術開発部門を残す決断にも今年に入って踏み切った。

 いずれもホンダの主力事業である四輪車の立て直し・構造改革の一環だ。