さらに、米GMとの連携強化も従来の新世代技術EV・自動運転から北米でのエンジン・パワートレインの共通化に拡大したのも、北米四輪事業のコストダウンに結びつける狙いであろう。また、「聖域」だった本田技術研究所にメスを入れたことも含めて、「新たなホンダ」へと踏み出す経営決断と受けとめるべきであろう。

 これは、先のF1参戦「終了」宣言からもわかる。

 先述したように、モータースポーツの最上位にあるF1は、ホンダにとって創業者本田宗一郎から脈々とつながる「DNAの象徴」でもある。

「再参戦はない」と八郷社長もきっぱり言い切った。ホンダはその理由を「カーボンフリー技術の投入をさらに加速するため、F1参戦活動に投じていたリソースを振り向ける」としたが、ホンダが生き抜くためにはF1を卒業して「新時代への投資」に振り向けねばならない、という正念場に立たされた末での決断ということだ。

「チャレンジ精神と独創性」の社風
今回も危機を乗り越えるか

 英国工場など海外生産からの撤退や日本の狭山工場閉鎖、さらにF1撤退となると、「縮小均衡の方向」と後ろ向きに捉えられがちだ。しかし冒頭にも述べたように、11月11日、ホンダは新たに開発した「レベル3」の自動運行装置「トラフィック・ジャム・パイロット」を高級車「レジェンド」に搭載して今年度中に発売すると発売した。

 自動運転では日産自動車のプロパイロットなどがあるが、これはレベル2で、レベル3との違いは「ドライバーの監視」と「システムの監視」となる。

 このシステムの監視により、高速道路における渋滞時などで自動運転が実現。今後、日本から世界に波及していくことになろう。

 また、相次ぐリコールなど品質問題が重なったホンダだが、今年に入り新型フィットの投入や新開発EV「HONDA e」発表などで前向きな話題を投げかけている。