新型コロナウイルスの流行を受けて世代間のデジタル格差が広がる中国で、高齢者を支援するため新たな対策が取られている。国務院(内閣に相当)は先頃、現金の受け付けや紙の「健康コード」を認めるなどの高齢者支援策を企業や地方当局に求める文書を公表した。デジタルの感染対策である健康コードは病院やショッピングセンター、オフィスビルなどほとんどの公共の場に入る際に欠かせない。デジタル決済が普及した中国はテクノロジーが苦手な人々にとって以前から厄介な場所だったが、コロナで問題はさらに大きくなった。中国のソーシャルメディア上では、高齢者への対応のまずさを巡って怒りの声が上がっている。中国国営中央テレビ(CCTV)など中国メディアの8月の報道によると、黒竜江省ハルビン市で高齢男性が健康コードをスキャンしなかったことを理由に、ラッシュ時のバスから締め出された。