地震保険写真はイメージです Photo:PIXTA

今年11月、地震保険の被害程度の認定をめぐる裁判に決着がつき、原告が受け取る保険金額は当初の10倍に増えた。「幅1mm以上のひび割れの有無」が決め手となったが、この基準数値、実は加入者には非公表。なぜ非公表なのか。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

一般向けの『契約のしおり』にはない
非公表の業界独自基準

 2016年に起こった熊本地震で、九州内のとある賃貸マンションが被害を受けた。

 その建物にかけられた地震保険の保険金の支払いをめぐり、オーナーと保険会社の見解に食い違いが生じて裁判へと発展。今年11月、3年越しでようやく決着がついた。

 原告は勝訴したことにより、受け取る保険金額が当初の10倍に増えた。決め手となったのは「幅1mm以上のひび割れの有無」だった。

 ただ、地震保険の『契約のしおり』をくまなく見ても、この「1mm以上」という数値は記載されていない。なぜ加入者に公表されていないのか。