新型コロナウイルスに加え、自然災害が猛威を振るっている。そうした中で怖いのは、巨大災害を引き起こす地震の発生だ。地震に備える対策として地震保険が挙げられるが、その中身は複雑だ。仕組みを徹底解説しよう。
大災害を引き起こす巨大地震の
リスクをカバーする保険
11.7兆円――。
世の中はいまだ新型コロナウイルスに関するニュースが大勢を占め、そこに九州や中部地方を中心に襲い掛かった令和2年7月豪雨のニュースが耳目を集めている。これらが日本経済にどの程度の影響を及ぼすのか、新型コロナの第2波はいつ来るのかなどと活発な議論が交わされている。冒頭の巨額な数字は、新型コロナや集中豪雨とは何ら関係ないが、ひとたび発生すれば大災害を引き起こしかねない地震に対する、地震保険の総支払限度額である。
ご存じの通り、新型コロナが起きる前の人々の関心事は、近いうちに起きるであろうといわれる巨大地震であった。もちろん地震は、今が大変な時期だからといって待ってはくれない。そこで今回は、地震リスクと保険について述べてみたい。