米国との貿易戦争のさなかにあった1年半前、中国の輸出が2020年に過去最高を更新すると予測した人はほとんどいなかっただろう。だが、これは現実に起きたことだ。先進国での大規模なワクチン配布が数カ月先になるとみられる中、この力強さはまだ続く可能性がある。中国の11月の輸出は前年同月比21.1%の急増となった。伸び幅は、毎年通例1月か2月にある旧正月(春節)の期間を除くと、2011年以来の大きさだった。貿易黒字額(ドル建て)も過去最高の754億ドル(約7兆8400億円)となった。今回の増加をけん引したのは米国向け輸出の急増だ。恐らく新型iPhone(アイフォーン)の大型受託が輸出額を押し上げたものと思われる。中国製携帯電話全体の出荷額だけでも、前月比で80億ドル近く増加した。だが、もっと基本的な力も働いている。