米国と世界の新しいルールとは何か

 なぜ、米国と世界が変わったのか。そして新しいルールとは何か。

 著書『NEW RULES 米中新冷戦と日本をめぐる10の予測』では、なるべく中立的な立場で解説しましたが、中にはこれまでほとんど日本で報じられることのなかった視点や切り口も多分に含まれています。そのため、読者のみなさんに戸惑いを与えてしまうかもしれません。

 しかし最後まで読み進めていただければ、新しいルールで動き出した先に世界がどうなるのかがクリアに見えてくるはずです。

 ・なぜ米国民は、あんな下品な不動産王を世界の大国の大統領に選んでいたのか。
 ・米国はどうして繁栄の象徴でもあるグローバリゼーションを止めたのか。
 ・バラク・フセイン・オバマ第44代大統領は抑圧されてきた人々を優遇したのに、トランプ大統領は残酷だ。
 ・米国が自分たちの事情だけを考えて“世界の警察官”を辞めるのは都合が良すぎる。
 ・世界一の経済大国が、どうしてポピュリズムに転じたのか。
 ・欧州連合(EU)から離脱することを選んだ英国民は愚かなんじゃないか。
 ・EUの各国でポピュリズム政党が存在感を高めているのが理解できない。

 2020年、米国や英国、EUは自国優先の経済政策を推し進めています。

 トランプ大統領が米国で実践してきた所得税や法人税の大幅減税やインフラ投資の強化、大規模な規制緩和などを打ち出して強い米国を取り戻そうとする政策は、今では「トランプノミクス」と呼ばれ、世界の主要な国々も実践するようになりました。

 トランプノミクスは、絶対王政時代の利益優先の経済とも共通しているということで、「新重商主義」とも表現されます。

 第二次世界大戦以降、国際社会は互いに協調しながらグローバリゼーションを進め、共に発展し、米ソ冷戦の終結でそれは加速しました。

 トランプノミクスは、これまで長く続いたグローバリゼーションと正反対の動きである―。トランプが大統領に就任してからは、こんな批判をよく受けます。グローバリゼーションを止めるのは世界全体の経済発展の持続性にとってマイナスである、というのです。