自分と相手を大切に、
弱さを認め合う「思いやり」ある社会へ
「本当に大切なのは何か?」
これは非常に難しい問いですが、今一度、胸に問いかけてみてください。
重松先生は言います。
「ハートフルネスは、やさしさと責任感を表す言葉。世界の人々に対し、自らの家族と同じように愛と思いやりを持つことこそが、自身の安心、安全につながります」
「将来のためだけに生きるのは無意味です。若くても亡くなる人がいる。
いつ何が起こるかは誰にもわからないのです。
将来のために頑張る、夢のために努力することも大切でしょう。
でも、それと同じくらい『今、この瞬間』が大切なのです。これを忘れないでください」
ニーチェの格言「私たちを殺さないものは、私たちを強くする」が象徴するように、人は痛み、苦境から生きる力、学びを得ます。
拙著『スタンフォード式生き抜く力』で触れた、共感する力、思いやりなどのエリートの資質「利他の心」は、苦悩や諦め、どうしようもない苦しみを生き抜いた結果なのかもしれません。
あなたもこれから、「自分はダメだ」と落ち込んだり、夢を諦めないといけなかったり、理不尽な現実に肩を落とすこともあるかもしれません。
でも、
「自分を大切にすることは、相手を大切にすること」
「将来を本当に大切にするとは、今を大切にすること」
このことを胸に刻み、辛い時は、苦しみを乗り越えた先の、今のあなたより少し強くなった自分をイメージしてみてください。
そのあなたは、きっと誰かが苦しんでいる時に、助け励まし、「頑張れ!」と強く鼓舞するのではなく、自然と寄り添う勇気を持っているに違いありません。
大切なのはまず、「今、あなたがより良く生きること」です。
もしこの記事が少しでも役に立ったら、あなたの大切な人、家族、仕事の仲間にシェアしてあげてください。
そんな「相手を大切にする」行動のすべてが、重松先生の言うハートフルネスです。
この記事が、人と人とがお互いを想い、思いやりに溢れた社会をつくる小さなきっかけになれば幸いです。
スタンフォード大学医学部、心理学者
ハートフルネス・ラボ創設者
日本で生まれ、アメリカで育つ。ハーバード大学で臨床心理学の博士号取得。東京大学留学生センター・大学院教育学研究科助教授。現在、スタンフォード大学医学部ウエルネスとリーダーシップ教育の心理学者。マインドフルネスの概念をベースに、生きる力やグローバルスキルを高める専門家として、教育・医療などの分野で国際的に活動中。主著に『スタンフォード大学 マインドフルネス教室』(講談社、2016年)、『From Mindfulness to Heartfulness 』(Berrett-Koehler Publishers、2018年)、『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』(サンマーク出版、2019年)、『スタンフォードの心理学授業 ハートフルネス』(大和書房、2020年)など。
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長
経営者、教育者、論理学者
1977年生まれ。スタンフォード大学哲学博士。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。教育テクノロジーとオンライン教育の世界的リーダーとして活躍。コロナ禍でリモート化が急務の世界の教育界で、のべ50ヵ国・2万人以上の教育者を支援。スタンフォード大学のリーダーの一員として、同大学のオンライン化も牽引した。スタンフォード大学哲学部で博士号取得後、講師を経て同大学内にオンラインハイスクールを立ち上げるプロジェクトに参加。オンラインにもかかわらず、同校を近年全米トップ10の常連に、2020年には全米の大学進学校1位にまで押し上げる。世界30ヵ国、全米48州から900人の天才児たちを集め、世界屈指の大学から選りすぐりの学術・教育のエキスパートが100人体制でサポート。設立15年目。反転授業を取り入れ、世界トップのクオリティ教育を実現させたことで、アメリカのみならず世界の教育界で大きな注目を集める。本書が初の著書。
【著者公式サイト】(最新情報やブログを配信中)
https://tomohirohoshi.com/