互いを認める社会を
私がオンラインハイスクールの校長をしているスタンフォード大学には「Center for Compassion and Altruism Research and Education(思いやりと利他に関する研究教育センター)」、バークレー大学には「Greater Good Science Center(より偉大な善を科学するセンター)」という幸せを科学的に研究する機関があります。
研究でわかったのは、「感謝を表すことで幸福感を感じる」という人の性質です。
何かを与えられたら、何かを手に入れたら幸せになれると考える人が多いですが、幸福感は、同情する、感謝する、親切を行うなど、誰かに社会的な働きかけを行うことで上がるのです。
自分の人間らしさ(humanistic)を認め愛するだけでなく、自分は誰かの役に立っているというのを実感することこそが、実は自己肯定感を上げる近道になります。
何者かになろうとする、今の自分を変えなくてはいけないと考えることは、自己肯定感を高めるどころか、自己否定です。
とにかくポジティブになろうとするより、自分の弱さを認め、目の前の人に親切にすることで自己肯定感が上がるというのは、あなたもイメージできるのではないでしょうか?
小さなことからでも大丈夫、今日から意識してみてくださいね。
この記事が少しでも役に立ったら、あなたの大切な人、自己肯定感を上げようと頑張っている人、家族、友人、お仕事の仲間にぜひ教えてあげてください。本記事をシェアすることで、相手が「ありのままでいい」と気づき、伝えたあなたが幸せを感じれば、そこには自分らしく生きることをお互いに肯定する小さな輪ができることでしょう。
お互いを認め合う素敵な社会づくりの一助になれば幸いです。
スタンフォード大学医学部、心理学者
ハートフルネス・ラボ創設者
日本で生まれ、アメリカで育つ。ハーバード大学で臨床心理学の博士号取得。東京大学留学生センター・大学院教育学研究科助教授。現在、スタンフォード大学医学部ウエルネスとリーダーシップ教育の心理学者。マインドフルネスの概念をベースに、生きる力やグローバルスキルを高める専門家として、教育・医療などの分野で国際的に活動中。主著に『スタンフォード大学 マインドフルネス教室』(講談社、2016年)、『From Mindfulness to Heartfulness 』(Berrett-Koehler Publishers、2018年)、『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』(サンマーク出版、2019年)、『スタンフォードの心理学授業 ハートフルネス』(大和書房、2020年)など。
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長
経営者、教育者、論理学者
1977年生まれ。スタンフォード大学哲学博士東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。教育テクノロジーとオンライン教育の世界的リーダーとして活躍。コロナ禍でリモート化が急務の世界の教育界で、のべ50ヵ国・2万人以上の教育者を支援。スタンフォード大学のリーダーの一員として、同大学のオンライン化も牽引した。スタンフォード大学哲学部で博士号取得後、講師を経て同大学内にオンラインハイスクールを立ち上げるプロジェクトに参加。オンラインにもかかわらず、同校を近年全米トップ10の常連に、2020年には全米の大学進学校1位にまで押し上げる。世界30ヵ国、全米48州から900人の天才児たちを集め、世界屈指の大学から選りすぐりの学術・教育のエキスパートが100人体制でサポート。設立15年目。反転授業を取り入れ、世界トップのクオリティ教育を実現させたことで、アメリカのみならず世界の教育界で大きな注目を集める。本書が初の著書。
【著者公式サイト】(最新情報やブログを配信中)
https://tomohirohoshi.com/