自分をなくさず相手に共感する方法
一方、「ありのままでいい」を人に当てはめ、何でも相手に合わせることを共感と考えてしまう人から、「共感と、自分をなくすことは何が違うのか?」と聞かれることがあります。
重要なのは、「共感」に関する2つのニュアンスの区別です。
心理学で用いられる「コンパッション」と「エンパシー」は、日本語でどちらも「共感」ですが、意味は異なります。
「コンパッション」は、他者の感情を感じているけれど、客観的でいる状態。「エンパシー」は他者の感情を感じ、自分も同じ気持ちになることです。
「共感=自分をなくすという考え方は、日本人独特の感覚かもしれません。アメリカ人では、このような人はほとんどいないので国民性だと思いますが、大事なのはコンパッションです」と重松先生は話します。
相手と同じ気持ちになり、相手の感情にとらわれること(エンパシー)を共感とするのは間違いです。
同様に、悲しいという感情を受け止めるのではなく、とらわれた状態をマインドフルネスと考えるのもまた違います。
人への共感でも自己肯定でも、「ある状態を、あるがままに受け止める」意識が大切なのです。