Photo:PIXTA

 運送業のアルバイトで生計を立てていたAさん(20代・男性)は、新型コロナウイスルの感染拡大によって仕事が激減。勤務先から自宅待機を言い渡されたが、休業手当はもらえず、実質的な失業状態となった。

 一緒に暮らしている父親も生活が困窮しているため、頼ることはできない。それどころか、家にお金を入れられなくなったことから関係が悪化し、帰る家も失ってしまった。所持金も尽き、1週間ほど何も食べられずに、公園で寝泊まりしていた。めまいや喉の痛みを感じるようになったが、お金がないため、医療機関を受診することができず、最終的に商業施設で倒れているところを発見されて救急搬送された。

 これは、全日本民主医療機関連合会(民医連)が、10月30日に発表した「コロナ禍を起因とした困窮事例調査 中間とりまとめ」(以下、コロナ事例調査)で明らかになった「受診控え」の一例だ。

 長引くコロナ禍で、Aさんのように体調が悪いにもかかわらず、経済的理由で医療にかかれない「受診控え」が全国的に報告されているという。