このたび書籍『3分引きつける話す力』を出版したプロ司会者の鹿島しのぶ氏が、スピーチの極意を教授する。今回はあらゆるスピーチの基本といわれる「3分スピーチ」の具体的な構成に関する実践テクニック。3分間という短い時間内でどう工夫をこらせば、聴衆を惹きつけ、感動すら与えることができるのか。
たかが3分、されど3分
3分間スピーチを頼まれたとき、少なからぬ人が「たった3分じゃないか」と思って、ほとんど準備もしないまま本番に臨みます。
そういう人のほとんどは、聴き手からそっぽを向かれ、後悔の念にかられることになってしまいます。
たかだか3分、されど3分です。その短い時間の中で多くの人の心をつかむ話をするのは、じつは簡単ではないのです。
スピーチは基本的に、
(1)冒頭の挨拶(導入)
(2)中心部分(主題・本題)
(3)締めの挨拶(結び)
という3つのパーツで構成されます。
このうち冒頭の挨拶は、スピーチするシーンに合わせて、「自己紹介」「お祝いの言葉」「スピーチの場を与えられたことへの謝辞」などを述べることになります。最後の挨拶は、締めの言葉に合わせて清聴してくれたことへの感謝の気持ちを述べるのが一般的ですが、いずれにしても短めに切り上げていい部分です。
問題なのは「中心部分」です。この部分こそ、テーマへの入り方、展開の仕方、結論への導き方などの工夫が必要となる部分です。