このたび書籍『3分引きつける話す力』を出版したプロ司会者の鹿島しのぶ氏が、「3分間スピーチ」の極意を教授する。意外と長く、意外と短い3分間スピーチは、あらゆるスピーチの基本。披露宴、パーティ、会見場での壇上挨拶だけではなく、長時間のプレゼンテーションや講演にも応用できる、話し方、伝え方のノウハウが詰まっている。3分間スピーチを極めれば、どんな長いスピーチでも困らず、会話力やコメント力が確実にアップすること請け合い。
「3分間スピーチ」は
あらゆるスピーチの基本
私は、「3分間スピーチは、あらゆるスピーチの基本」だと思っています。
ただダラダラと話していたら、3分間なんてあっという間にたってしまいますし、聴いている人たちから「あの人は、いったい何がいいたいんだ?」と思われてしまうでしょう。
そう思われてしまう人は、5分間話そうが10分間話そうが同じです。やたらと時間を取って、いろいろなことを話したからといって、相手に伝わるというものではありません。
むしろ、相手にどう伝えるかを計算し、言葉を選び、話し方まで練って、できる限り短く話す。そのほうが、ほんとうにいいたいことが相手の心にストレートに飛び込んでいきます。
たとえば、30分間ほど時間が与えられる「プレゼンテーション」などの場では、スピーチの途中で話が脱線したり、話の内容をちょっと変えたりするなどしても、なんとなく形になると思いますし、それも相手を飽きさせないためのテクニックといえるでしょう。
しかし、3分間スピーチは、ほんとうに限られた時間での勝負です。ここはもう、集中しなければなりませんから、いいたいことをまとめ、しっかりとした原稿をつくり、トレーニングを重ねて臨むべきです。
スピーチが下手な人に限って、ちゃんと原稿をつくらないし、しっかり練習もしないのです。