さて、昨今は何を語るにも「新型コロナウイルス」に触れないわけにはいかないが、社債のスプレッドが低下しているのは、信用リスクにまで介入するコロナ対策としての金融緩和政策の効果である。一方、エネルギーや消費財などの業種に偏りを持ちつつも、コロナによる実物経済の不調によって存亡の機に瀕する企業が増加していることが同時進行している。

 そして今や、コロナ対策による株価バブルも進行中だ。コロナが居座って、中央銀行による金融緩和が継続。その中で、財政的な後押しも加わることがより一層の金融緩和効果をもたらして、株価の上昇につながっている。

社債型バブルとコロナバブル
株価バブル「2つの生成メカニズム」

 現在、筆者が形成中だと思っている株価バブルには2つの生成メカニズムが働いている。1つはコロナ前からのもので、もう1つはコロナと共に働き始めたものだ。

 実は、今をさかのぼること約1年前のコロナ問題が顕在化する以前の段階で、米国では次の流れで株価が上昇していた。

(1)信用力が不十分な会社も含めて社債で資金を調達する
(2)社債をパッケージングした証券化商品を金融機関が販売する
(3)低金利環境下で運用難の金融機関が証券化商品を購入する
(4)資金を調達した企業はこれを自社株買いに振り向けて株価を上昇させ、株主と経営者(ストックオプションを持っている)が富を得る

 当時から、特に社債市場に対する懸念を指摘する向きがあったが、(2)(3)(4)の利害関係者にとって好都合なメカニズムなので、このバブル生成は継続するかに見えた。仮にこれを「社債型バブル」とでも名付けよう。

 ところが、新型コロナの感染が世界的に広がり、特に米国に大きな影響を及ぼすに至ると状況は一変。社債の信用リスクが大きな懸念となって、形成中だったバブルはいったん崩壊し、次には金融的な危機の到来が心配され、株価は大きく下がった。