部下から質問を受けたときの注意点は、「人間Google」 になってはいけないことです。「○○はどうすればいいですか?」との質問に上司が即答してしまうと、部下は分からないことがあれば、上司に聞けばすぐに答えが得られると思ってしまいます。

 そうなると、まるで携帯やスマートスピーカーに「OK Google!」と話しかけて質問すれば、AIアシスタント機能が答えてくれるように、なんでもかんでも尋ねてくることになります。これでは部下の成長は望めませんし、上司の手がその都度止まるので業務が進められなくなります。

 例えば、新人スタッフからの質問が研修で教えたばかりのことだとしたら、研修のテキストや作業マニュアルを確認させて、自分で答えを見つけるように促しましょう。

 テレワークでは、常に上司がそばにおらじ、必要なときに質問ができない場合も多いので、自分で考える習慣を付けさせることはとても大切です。

上司から部下への
やってはいけない質問とは

 一方、リモート・マネジメントにおいて、上司から部下への質問にも注意すべきポイントがあります。ここでは「やってはいけない質問」を2つご紹介しましょう。

 1つ目は「誘導尋問にしない」ということです。

 私が以前、アパレル専門店チェーンに勤務していたとき、会議の場で上司から、「私はこう考えているが、君たちはどう思うかね?」と、誘導尋問のような質問をされたことがあります。

 このように、上司が既に決めていることに対して意見を求められたとしても、その場では「No」とは答えにくいでしょう。これでは質問をする意味がありません。

 部下へ行う質問は、相手に考える機会を与え、自ら答えを見つけ出すきっかけを与えることも目的の一つです。

 上司が自分の意見に対する同意を求めたいのであれば、わざわざ誘導尋問のような質問をせずに、「方針」としてストレートに打ち出してしまった方が、よほど潔くて好感を持たれることになります。

 2つ目は「詰問をしない」ということです。