質問はそこに使う言葉の選び方一つで、部下のモチベーションを上げも下げもします。「なぜ、やらないの?」「どうして、このやり方にしたのか?」このように質問されると萎縮してしまいます。

 問い詰めるような質問のことを詰問と呼びますが、マネジメントを行う上で使用するのは避けましょう。

アドバイスを効果的に
「効かせる」秘訣

リモート・マネジメントの極意『リモート・マネジメントの極意』 岡本文宏著 WAVE出版 1500円+税

 リモート・マネジメントを行う中で、部下へ助言することもあるかと思います。3つ目の「きく」は「効く」です。

 部下へのアドバイスを「効かせる」ために行う具体策をご紹介しましょう。

 アドバイスを行う際は、手短にシンプルに伝えるべきです。なぜなら、あなたのアドバイスは、自分がうまくいった方法や、他の誰かが成功したエピソードである場合が大半だからです。そこで伝えたことを部下がそのまま実行したとしても、同じようにうまくいくかどうかは分かりません。あなたと部下とはタイプも性格も得意なことも異なるからです。

 そもそもですが、モニター越しに1対1で長々と武勇伝を聞かされると苦痛を感じます。

 また、コロナ禍以降、世の中の変化のスピードは以前にもまして早くなりました。コロナ禍の前後で、消費者の心理も大きく変化しました。そうした中で、以前の必勝パターンが通用するケースはまれです。アドバイスの伝え方としては「参考情報として聞いてほしい」と前置きをしてから、できるだけ手短に話すようにしましょう。