また、話を聞いてくれる相手のことを人は信頼できる人物だと思います。そうなれば、組織の中での上下間で良い人間関係が築かれるので、マネジメントをうまく行えるようになります。

 テレワークで働く部下の話を聴くときは、モニター越しでの会話となるので、少しオーバーリアクションでうなずいたり、相づちを打つようにしましょう。相手のリアクションが薄いと「ちゃんと聴いてくれているのだろうか?」と不安になります。

 話を聴く上司は表情を柔らかくすることも大切です。モニターに映される人の顔は無表情に見えがちですし、真剣に話を聞こうとすると表情が硬くなり、機嫌が悪いように見えてしまいます。そういう相手に、話をしようとは思えません。ですので、テレワークで部下の話を聴くときは、普段よりも優しい表情でいることを意識してください。

現状把握のため
部下に「訊く」

 2つ目は部下のことを理解するために行う「訊く」です。

 何か問題が発生した際、初めに行うべきことは「現状把握」です。ただ、テレワークにおいて現状を把握するのは、部下と離れた場所で仕事をしているがゆえ困難を極めます。

 このときに役立つのが「訊く(=質問)」スキルです。状況に合わせて投げ掛ける質問のフレーズをいくつかストックしておくと便利です。

 部下の現状把握を行う際に有効な質問フレーズには「気掛かりなことを教えてください」「一番の問題点は何ですか?」「以前と比べてどのような“差”がありますか?」などがあります。

 また、部下が答えたことに対して、「他には何がありますか?」とか「もう少し詳しく聞かせてください」と続ければ、より深く現状を把握できます。

 質問をする際は、1つの質問文の中に2つ以上の質問が含まれていると、答えるときに混乱し、答えにくくなります。