どれもこれも素朴な企画ですが、「コロナ禍だったら、こんなイベントもありだよね」「1年目のチームだったら、こんな感じでいいよね」と言ってもらえればいいと思っていました。いずれも、入場無料だからこそ納得してもらえる企画です。

 ブロンコスは過去のチーム経営から事業を継承したのではなく、過去の経営の倒産寸前からの企業再生、ゼロから再生しようとしている新生クラブです。だからこそ、素朴だけれどスポーツの原点に立ったイベントを私は皆さんに楽しんでもらいたかったのです。シンプル・イズ・ベストだと考えていたのです。入場無料方針の撤回で、それが全て水の泡となってしまうのか。それともある程度は実現可能なのか。私自身もまだ分かりません。

「行政プレゼンツによる無料化」という選択肢

 シーズン開始までもう時間はありません。入場無料を前提として作ったシステムを一から作り直すことは、時間的にも予算的にももうできません。「チケットを前売りで販売する」という選択肢はもう間に合わないのです。ではどうすればいいか。考えられる方法はわずかしかありません。

 まず、開幕戦をはじめ、できるだけ多くのゲームを「行政プレゼンツ」にしてもらうことです。行政やスポンサー企業が主催することでゲームを無料にした前例はB3リーグにあります。開幕節だけ無料にした前例もあります。子供は全試合無料にしている前例もあります。ブロンコスは様々な自治体と関係があるので、それぞれの自治体にゲームをプレゼンツしてもらう形をつくれば、前例からは、入場の無料化は可能になるはずです。

 それでも、全試合無料化はもはや難しいでしょう。もう一つの手は、10万円から100万円の小口のパートナーシップの仕組みである「ざ・さいたまパートナーズ」の活用です。これは、多くの人にブロンコスの仲間になってもらうための仕組みで、パートナーになっていただいた方は年間の主催試合が全て無料になるという特典が組み込まれています。もちろん一般の方々にパートナーになっていただくのは難しいと思いますし、「コロナ禍の中でお金を頂きたくはない」という前言と矛盾するところもありますが、チケットを売るというオペレーションが発生しないという点と、「ゲーム自体を無料にして、仲間を集める」という方針を貫ける点では有効なアイデアではあると思っています。