DXが推進するかどうか
DXが進むかどうかの最大の障壁は、人間の判断だったりする(写真はイメージです) Photo:PIXTA

DX抵抗勢力のおじさんたちに
白旗を上げさせたコロナの影響

 コロナのせいで私の場合、2020年は一度も海外出張に出かけることなく終わりそうです。さて、国際線の航空機に乗ると目の前のシートの背面に液晶パネルが設置されていて、機内で最新の映画を見ながら時間をつぶす方が多いかもしれません。

 この液晶パネルを「もう必要ない」と考えて最初に撤去を始めたのが、アメリカン航空でした。理由は、搭乗客のほとんどがスマホを見ているからです。だったら、映画もスマホで直接観てもらえば十分です。こうして機内から不要な部品が撤去され、そのぶんコストが下がる。けれども利便性は変わらないか、ないしはもっと便利になる。これは「デジタルトランスフォーメーション」(DX)の一例です。

 上海に出張して街に出て飲食店に入ると、最近ではメニューを置いていないお店が増えました。テーブルの上にQRコードが貼ってあって、それを読み込むとスマホがメニューになります。それだけではありません。スマホがそのままタッチパネルになるので、注文もスマホ上で完了できます。

 こうしてスマホでオーダーした注文は、そのまま情報が厨房に送られます。この飲食店がファストフードのお店であれば、料理ができ上がったら番号で呼ばれて、カウンターに料理を取りに行くだけ。精算もスマホで済ませることができます。

 このやり方だと、メニューがないだけでなく、レジ係もフロア担当の従業員もいらなくなります。これまで当然必要だと考えられていた物や人が要らないことがわかる。それもDXの効果です。

 新型コロナの影響で一気に変わったものの1つが、DXを取り巻く世の中の空気や企業の姿勢です。おそらくそのきっかけは、ビジネスパーソンの日常業務がリモートワークに強制的に切り替わったことでしょう。

 必要に迫られて中高年もZOOM会議を利用せざるを得なくなり、やってみれば案外できることがわかる。これまでDX推進を押し止めていた中高年管理職という「抵抗勢力」が、あっさりと白旗を上げたわけです。