現在も新型コロナは猛威を振るっており、京アニ事件でも公判前整理手続きは慎重な期日の設定が求められ、こちらも長期化は必至だろう。

スムーズな進行を図るための手続き

 さて、最近では「公判前整理手続き」は新聞やテレビで当たり前に目にしたり耳にしたりしているが、どんな手続きかご存じだろうか。

 裁判員制度の導入に絡み、公判の迅速化で裁判員の負担軽減につなげるため、05年の改正刑事訴訟法施行により導入された。裁判員裁判の対象となる公判はすべてこの手続きが行われる。

 担当する裁判官と検察官、弁護人が協議し、証拠や争点を絞り込んで公判の期日など審理方針を計画。公開、非公開の規定はないが、ほとんどが非公開で行われる。

 手続きは被告の起訴後、裁判所が証拠に関する書面の提出期限を決定。検察官が書面を提出し、証拠調べを請求する。この際、検察官は被告と弁護人にも証拠を開示しなければならない。

 被告と弁護人は証拠に対して意見を述べるとともに、公判で予定している主張があれば書面で提出。弁護人が用意している証拠があれば検察官に開示し、検察官も意見を明らかにしなければならない。

 こうしてお互いの手の内(証拠と主張)をさらして争点を明らかにし、公判をスムーズに進行するというのが公判前整理手続きの趣旨だ。互いに主張の追加や変更をする場合にも、同様の手続きが取られる。

 公判ではないため被告に出席する義務はなく、一方、検察官と弁護人が出席しなければ行うことはできない。また、検察官が被告に有利な証拠を隠すことも制度上は可能で、既に公判に向けた駆け引きは始まっているというわけだ。