ドナルド・トランプ大統領が大統領選での敗北を認めない中、12月14日の選挙人投票でジョー・バイデン前副大統領が過半数を上回り、次期大統領に就任することが確定した。前回と今回の大統領選で大きな役割を果たしたのは、フェイスブックやツイッターなどのSNSだ。だが、SNSが自由な言論の場として成長するとともに、深刻な課題も浮き彫りになりつつある。(国際政治評論家・翻訳家 白川 司)
世論調査結果を
左右するバイアス
安倍晋三前首相が今夏に辞任を表明した後、朝日新聞の世論調査で安倍政権を「評価する」が71%をマークして、「あの朝日の調査なのに?」と驚いた人も多かっただろう。
安倍政権の支持率は40~50%台で推移しており、新型コロナウイルス禍では30%台まで落ち込んでいたことを考えると、71%はあまりに高い数字だ。これはどういうことなのだろうか。