「まったく知られていませんが、実は慢性的な肩こりや腰痛などのからだの不調の原因は、手が縮こまって、短くなっていることにあります。
現代人の多くは、手が短くなっています。その短くなった手をすっきり伸ばさない限りからだの不調はなくならないのです」と語るのは、アスリートゴリラ鍼灸接骨院の院長をしている高林孝光さん。
高林さんは、日々多くの患者さんの施術をするなかで、知らない間に手が短くなっている人がほとんどだと気がつきました。
そして手を伸ばす治療法を確立。多くの患者さんだけでなく、種目柄、手の障害が多いバレーボールのジュニアオリンピック東京代表トレーナーに抜擢されたり、車椅子ソフトボール日本代表のチーフトレーナーを任された経験も。
ダイエット、自律神経失調症など心と体の悩みの相談件数は5万件を超えています。
本連載では、高林さんの新著『1日7秒手を伸ばしなさい』に紹介されている、肩こりや腰痛といった慢性的なからだの不調を治す方法を特別に抜粋し、ご紹介していきます。
今回は、「冷え性の方にススメたい筋肉をふるわせて熱を作る体操」をお伝えします。
(構成・井上健二 モデル・梅本美優[オスカープロモーション] 撮影・榊智朗)
筋肉量を増やさなくても、からだは温められます
今回もご紹介するのは、冷え性の方のための体操と言葉でからだの内側からポカポカさせる体操になります。
冷え性とは、外気温に関わりなく、手足などが冷えてくるもの。真夏でも、冷え性で悩む人はたくさんいます。
冷え性を訴える人の多くは、女性。男性よりも筋肉量が少ないのが原因です。
筋肉は、じっとしているときでも熱を作っています。筋肉量が少ないと、体内で作られる熱が少ないので、冷えを感じやすいのです。
とはいえ、筋トレで筋肉量を増やすのは大変。そこで手を伸ばしつつ、冷え性を解決へ導く方法を紹介しましょう。
今回は、筋肉をふるわせて熱を作る方法です。これは、「ふるえ熱産生(さんせい)」と呼ばれています。筋肉を強めに押し合ったり、引き合ったりすると、やがてふるえてきます。そして熱が生じて、冷え性がラクになりやすいのです
いままでご紹介した「7回ぐるぐる腕回し」「7秒キープ前ならえ」「肩甲骨を内側に寄せる体操」「肩甲骨を上下させる体操」「肩関節を回す体操」「背中の筋肉を伸ばす体操」とあわせて毎日の習慣に取り入れてみてください。