中国の習近平国家主席は2019年3月、エマニュエル・マクロン仏大統領、アンゲラ・メルケル独首相、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長(当時)に会うため、パリに飛んだ。シャンパンで乾杯した後、その場にいた関係者の一人によると、習氏は首脳3人に迫った。最近のEUの政策文書では中国を「体制上のライバル」と位置づけているが、それはEUの真意なのかと。同関係者によると、メルケル氏は習氏への賛辞を込め、その文言は欧州が中国の力と影響力の拡大を認識していることを示すものだと述べた。ユンケル氏は場を和ませようと、中国に関する見解をEU内で統一できないことについて冗談を飛ばした。しかし、マクロン氏は無遠慮だったという。
中国への反発、欧州にどう広がったか
かつては中国を怒らせることを避けていた国々が米国のような対中強硬姿勢にシフトするまでの舞台裏
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