お正月休み明けに「今年の手取り年収」を試算するのは、かれこれ20年近く続けている恒例行事だ。額面年収、家族構成別に72パターンの試算は、結構な時間を要するため大変ではあるが、前年比較や連続性を見ることができるので楽しい作業でもある。当連載の読者にも今年の最新情報をお伝えしたい。(生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)
額面年収は「会社からの評価額」
手取り年収は「自分の暮らしのサイズ」
会社員の場合、額面給与年収から所得税・住民税、社会保険料を差し引いたものが「手取り年収」だ。自分の自由に使えるお金なので「可処分所得」ともいう。
「額面年収」は「勤務先が行う自分への評価額」で、多くの場合、責任の重さと比例する。会社員、特に男性は額面年収をチェックするのが好き。仕事へのモチベーションに直結するからだろう。
一方、「手取り年収」は「暮らしのサイズ」である。生活のために使うお金や将来のために貯蓄をしていく源泉となるのは、額面収入ではなく手取り年収。手取りを把握するのはキチンと生活するために欠かせない作業なのだ。
同じ額面年収でも、税務上の扶養家族の有無や人数によって手取り年収は異なる。扶養家族が多いほど非課税枠である「扶養控除」が増えるため、税金が少なくなって手取り年収が増える仕組みだ。
専業主婦と大学生の子ども2人を扶養するAさんと、独身で子どもがいないBさんの給与が全く同じだとすると、手取り年収はAさんの方が多くなる。例えば額面年収800万円では、Aさんの手取り年収は629万円、Bさんは602万円。その差は27万円にもなる。
手取り年収の仕組みが分かったところで、さっそく今年の「あなたの手取り年収」を筆者が作成した「早見表」で見ていこう。