大事な書類なのに読み方を知らない人が大多数!
毎年12月か1月の給与明細と一緒に渡される「源泉徴収票」、みなさんは目を通しているだろうか。FPの視点で見ると、源泉徴収票は「情報の宝庫」であり、「使える」書類だ。しかし、ほとんどの会社員は、大切な書類だからとすぐにしまい込んでしまい、「読み方」を知っている人は驚くほど少ない。
私のもとへマネー相談に来る方には、「収入がわかる書類」として、会社員なら源泉徴収票と給与明細の1カ月分を持ってきてもらう。この2つがあれば、アドバイスするうえで必要な、額面年収、手取り年収、家族構成、勤務先などの情報が客観的にかつ正確にわかるからだ。
源泉徴収票を見せてもらう際、「この書類のそれぞれの数字、何かわかりますか?」と尋ねると、90%以上の人が「よくわからない。年収を証明するもの?」というのが実態だ。社会人なら必ず知っておきたいお金の知識のひとつが「源泉徴収票の読み方」なので、今回は読み方と活用術を紹介する。
そもそも「源泉徴収票」とは、勤務先が税務署にあなたの給料から天引き(源泉徴収)した1年分(1~12月)の所得税の額を知らせるための書類。2通発行し、1通は税務署へ、1通は本人に渡される。税務署への提出が目的に作られているフォームのため、専門用語が多いうえ、言葉が省略されているので、わかりにくい。
書類名を変えるだけで、ぐっとわかりやすくなると思う。たとえば、こんな風に。
現状 「令和元年分 給与所得の源泉徴収票」
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深田案 「令和元年(1~12月)分 給与所得の所得税の源泉徴収票」
これなら、昨年1~12月までの給与に対する所得税が書いてある書類なのだとイメージしやすい。