原子力発電所の使用済み核燃料を一時保管する青森県むつ市の中間貯蔵施設について、大手電力でつくる電気事業連合会は、原発を保有する各社で共同利用する方針を打ち出した。これは事実上、関西電力の“救済策”である。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
電気事業連合会は、東京電力ホールディングス(HD)と日本原子力発電の合弁会社、リサイクル燃料貯蔵(RFS)が青森県むつ市に建設中の中間貯蔵施設を共同利用する方針を打ち出した。その翌日の2020年12月18日、関西電力の森本孝社長は、東京・大手町にある経団連会館で記者会見に臨んだ。
電事連が掲げるRFSの中間貯蔵施設の共同利用について問われると、森本社長は険しい表情を崩さずに「地元(青森県、むつ市)のご理解が得られた上で、積極的に参画したい」と慎重に答えた。
電事連が年の瀬も押し迫るこの時期にわざわざRFSの中間貯蔵施設を共同利用する方針を打ち出したのは、20年7月に梶山弘志経済産業相から原子力発電所で発生する使用済み核燃料対策を強化するよう求められたためだ。