収支プラスにならず「借金増えないよう働く」
年末年始は深夜休業に協力したい

 幸い、5月下旬からは22時まで営業できるようになり、お客さまも戻ってきました。9~10月頃は感染者が少なく、まだ状況は良かったですね。ただ感染者が増えた11月以降は、売り上げが再び減少しています。収支がプラスになることはなく、借金が増えないように働いているという感じです。

 ですので、お客さまがいなければ22時に閉店しますが、基本的には深夜も営業を続けてきました。

 もちろん感染予防には取り組んでいますし、都の深夜休業要請に応じたいという気持ちもあります。都の給付金は受け取れませんが、お客さまには手指のアルコール消毒をお願いし、19~20時の来店ピーク時間帯でも、店内が密にならないよう入店制限をするなどしています。

 新橋の店は、3方向の窓を開け放って換気し、冬は暖房を「強」にしているのですごく電気代がかかります。11月に新しく開店した新橋の2号店は、300万円をかけて排煙用のダクトを設置し(下写真)、コンロの煙を吸い込みつつ店内に外気を取り入れています。テーブルごとに仕切るロールカーテンも付けました。

排煙用のダクトPhoto by S.O.

 ただ年末年始は、実際には深夜営業をした方がもうかりますが、なんとか感染が収束してほしいので、深夜は休業することにしています。

行政の支援はありがたいが“焼け石に水”
国会議員にボーナス300万円超は疑問

 行政のさまざまな支援はもちろんありがたいのですが、飲食店の実態に合った十分なものだとは思えません。都の休業要請への協力金は最大100万円でしたが、それでも経営状態からすると“焼け石に水”です。100店規模で飲食店を経営している社長さんに先日会いましたが、本当に顔色が悪かった。深刻なのだと思います。

 また雇用調整助成金は、想定していた金額の3分の1程度しか受け取れませんでした。しかも手続きがあまりに複雑で、行政書士の方にお願いして申請したほどです。その分、お金もかかりました。

 自治体に利子を負担してもらえる金融機関からの融資のあっせん制度でも、審査基準が直近数カ月間の売り上げの減少幅であるため、4~5月の一番苦しかった時期が反映されないというケースがあります。それに前年比の減少幅が基準だと新しい店が困ります。

 また飲食店の場合、1階の路面店よりもビルの2・3階にある店の方がどうしても経営が厳しくなります。当社は、有楽町店以外は路面店なのでまだましかもしれません。2階以上にある飲食店を手厚く支援する仕組みがあれば、より効果があるのではないでしょうか。

 ただ、飲食店が休業要請に応じて協力金を受け取っても、その分だけ取引先の業者の売り上げが減るのに、彼らは協力金を受け取れません。誰かの希望がかなった分だけ、誰かが困るという構図です。互いに恨み合うようなことが繰り返し続くのは、苦しいですね。

 いっそのこと、2週間程度、補償や給付金なしでロックダウン(都市封鎖)し、感染を封じ込めることはできないでしょうか?飲食店の立場で申し上げると、感染が収まらずにだらだらと長引き、お客さまが来ない状態が続くのが一番困ります。

 政治家が誠心誠意の言葉で国民を説得できれば、できるんじゃないですか?残念ながら菅義偉首相の発言には、ドイツのアンゲラ・メルケル首相の演説のように、心に響くものはありません。

 それでも国会議員には、(夏冬で各)300万円以上ですか?ボーナスが支給されているんですよね。それが一番納得できません。生活が逼迫していない人は、苦しんでいる人のことを考えられないのではないですか。こうしたお金を、本当に困っている人に回すべきではないでしょうか。