「入学式が中止になり、4月はずっと待機の状態でした。大学から検温と健康状態のチェックは毎日やるように言われていたので、『こういう記録をとらせるってことは緊急事態宣言が解除されたら大学に行けるのかな』と思っていたのですが、12月になる今まで、対面授業は1回もありません。なんのために記録をとっていたんだろう、と思ってしまいます」(村田さん)

 1カ月の待機期間を経てオンライン授業の実施が決まったのは、5月に入ってすぐのことだった。

「実施が決まったはいいものの、慌ただしくて履修ガイダンスもありませんでした。そんな状況のなか、1週間で履修登録をしなくてはいけなくて、本当に困惑しましたね。シラバスも対面授業を想定した内容だから参考にならないし、どの授業も『オンライン授業の詳細は追って連絡します』と備考欄に書いてあるだけ。先生たちも初めてのことだから対応が追いついていないのはしょうがないと思いましたが、疑問や質問があっても誰にも相談できない状況での初めての履修登録は、パニックになりました」(村田さん)

 紆余(うよ)曲折の末、なんとか履修登録を終えた村田さん。ようやく5月末から、オンラインではあるものの、大学生として受ける授業が始まった。

「先生によって使うウエブツールが変わりますし、なかにはリアルタイム授業ではなく、動画やテキストだけという先生もいます。大学の授業もオンライン授業も初めてですから、慣れるまでは本当に苦労しました」(村田さん)

小中高生は登校できるのに
なぜ大学生はダメなのか

 こうして、村田さんの大学1年生としての前期半年間は、オンライン授業のみで単位を取得した。後期の履修登録を控えた夏の終わり、一時期は「夏にコロナウイルスが収束して、大学へ行けるようになるかも」と思ったというが……。

「そんな期待は打ちくだかれました。夏休み中に、『後期の授業も完全オンラインで実施します』という連絡がきたんです。小中学校や高校は登校しているし、同い年の専門学生も対面授業が始まったと聞きました。Go To トラベルは許されているのに、大学生は学校へ行かせてもらえないことが、『どうして?』と思うし、とにかく悲しいです」(村田さん)

 大学に登校できるようになったら、まず何がしたいか。村田さんに尋ねると、19歳の少女のささやかな、けれど切実な望みが聞けた。