うつ病になりやすい人の危険な仕事の習慣
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
Photo: Adobe Stock
うつ病になりやすい仕事の習慣とは?
今日は、うつ病につながりやすい仕事の習慣を1つご紹介します。これは「やめた方がよい」習慣です。
やめた方がいいこと、やった方がいいこと、どちらもいくつかありますが、今日ご紹介したいのは「キリがいいところで終わらせようとする習慣」です。これは、ぜひやめていただきたい習慣です。
なぜ「キリの良さ」を求めると危険なのか?
うつ病になりやすい人は、様々なことを抱え込みがちで、忙しくなりやすい傾向があります。忙しくなると脳を使いすぎ、脳の機能が低下してしまいます。脳にもキャパシティ(容量)があるからです。
私たちの脳が神経回路を動かすためには、神経伝達物質が活発に働いていますが、脳を使いすぎると、それらが足りなくなってきます。そうなると、次第に頭がはっきり働かなくなり、ぼーっとしてしまいます。
疲れが溜まっているのに、本来取れるはずの睡眠すら適切に取れなくなり、心身の様々なところに不調が出てくるのです。
頭を使いすぎないように
その原因は、すべての人に当てまるわけではありませんが、多くの場合「過労」、つまり頭の使いすぎです。
では、頭を使いすぎないようにすればよいのですが、頭を使いすぎてしまう人は何をしてしまうかというと、それが「キリがいいところまでやろうとする」ことなのです。
「キリがいいところまで」が過労を生む
「キリがいい」というのは、仕事の内容上の区切りにすぎません。現実には、キリがいいところまで終わらせたからといって、仕事がなくなるわけではないのです。仕事は次々と出てきます。
ですから、キリの良さを求めるのは、単純に自分の気持ちの問題なのです。しかし、キリがいいところまでやろうとすると、どうなるでしょうか。
例えば「今日は夜8時まで残業する」と決めていたとします。いざ夜8時になった時、キリが悪いと感じると、「キリがいいところまでやろう」と、そこで30分とか1時間ほど追加で作業してしまうことがあります。
脳は常に過労の状態に
さらに、いざ取りかかってみると、意外とキリが良くならず、もっとやることがあったと気づくこともあります。それでも、途中まで進めていると、「ここまでやったのだから」ともったいなく感じ(損失回避)、30分で終わると思った作業が1時間、2時間かかりそうだと分かっても、特に真面目な人は続けてしまいます。
「せっかくキリがいいところで終わろうと思ったのに、30分では終わらなかった。こうなったら、この際キリがいいところまで、あと1時間追加してやろう」――こうして、気づけば夜10時、11時になっていた、というのもよくあるパターンではないでしょうか。
こういうことを続けていると、脳は常に過労の状態に置かれてしまいます。



