トランプ米政権は「レームダック」期間でも中東で進める外交ディールの手を緩めることはない。12月にモロッコがイスラエルとの国交正常化で合意したのに続き、今度はサウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの4カ国が3年半に及ぶカタールとの国交断絶に終止符を打った。もしバイデン次期政権に思慮分別があれば、中東の米同盟国間で強まる結束を、イランが企てる不品行の防波堤として利用するだろう。  米空軍基地があるペルシャ湾岸の産油国カタールは、ここ数年、近隣の湾岸諸国との関係が悪化していた。2017年6月には4カ国がカタールとの関係を遮断すると表明。