食事のスタンバイ
コロナの年末年始、生活困窮者に向けた支援サービスの利用状況はどうだったのか。写真は「大人食堂」で用意される食事 Photo by Yoshiko Miwa

2021年へと向かう年末年始
支援活動を利用した人々の姿

 コロナ禍の影響が深刻化する中、2020年から2021年にかけての年末年始、生活に困窮した人々を支える多様な活動が全国で行われた。東京では7団体の協働により、臨時相談会(12月31日)および年越し大人食堂(1月1日および3日)が開催されたのをはじめ、数多くの相談会や食料などの物資配布イベントが行われた。

 四谷のカトリック教会で開催された年越し大人食堂では、時節柄、一般的な会食のスタイルを取ることはできない。個別の容器に収められた食事を、各自、屋外や近隣の公園などで食べることとなった。幸いにも、1月1日と3日の両日とも東京は晴天で、日中の気温は比較的高かった。

 テーブルの上にズラリと並べられた容器は、基本の米飯と野菜料理に、副菜として肉・魚・豆腐のいずれかの組み合わせであり、さらにオプションでチーズを選ぶことができる。宗教的禁忌にもベジタリアンにも好き嫌いにも対応しやすい工夫だ。

 調理を担当したのは、料理研究家の枝元なほみさんである。作業は、12月28日から始まった。まずは、炊き出しを行っている団体から大量調理に適した大鍋やプロパンガスのコンロを借り、食事の容器や調理道具を購入したという。

 12月29日になると、枝元さんの自宅に全国から善意で寄せられた食材の数々が届き始めた。「キログラム」「10キログラム」という単位で届く食材の中には、有機栽培の土付き野菜もある。ボランティア数人で手分けして、野菜を洗ったり、刻んで軽く塩漬けしたりしたそうだ。朝から晩まで野菜を洗い続けた人もいたという。

 その後、30日には届いた肉に火を通し、31日に味付けしたという。その分量の調理を一度に行える鍋は、借りた大鍋しかない。その大鍋で、副菜を1種類ずつ大調理する作業が続いたそうだ。気の遠くなりそうな準備とボランティアたちの働きのもとで調理された多種多様な副菜は、無事に晴れ舞台を迎え、無料で提供された。