河野太郎氏
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昨年9月の就任以降、約1万5000種類の行政手続きにおける「はんこ廃止」や、官僚の働き方改革を矢継ぎ早に表明した河野太郎・行政改革担当大臣。デジタル化と再生可能エネルギー分野で立ち遅れた日本の課題にどのように挑むのか、話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

はんこ、こより…、付加価値ないルールは廃止
不便さの向こうに国民というユーザーがいる

――行政手続きに必要な1万5000種類の認め印のほとんどを廃止すると昨年11月に表明しました。9月の大臣就任以降、速やかな決定でしたね。

 認め印廃止については、省庁からの抵抗はありませんでした。「三文判」とも言われるように、通常のはんこは誰でもどこでも買える。本人であることの何の証明にもなりません。印鑑証明や銀行への届け出印など83を除き、廃止になります。

――役所の中でも、押印が長年続いていたのではないですか。

 省庁ではすでに、使い勝手はともかく電子決裁が可能です。私が防衛大臣だったときは、省内で電子決裁が使われていましたが、政務三役に回る文書は官僚の忖度で、紙に押印するようにしていました。「そんな忖度いらねえだろう」と言って、電子決裁に切り替えました。

 中央省庁では押印以外にも、閣議決定などの文書作成時に、印刷される文字と「青枠」と呼ばれる枠の間を5mmにするとか、製本するときにホチキスではなく紙のこよりでとじるとか、それに何の付加価値があるんだという決まりがありましたが、昨年10月に全省庁で廃止しました。

 なぜ、今までやめようという声が出なかったのか、私も不思議です。霞が関では従来、物事を変えることを評価する文化がなかったのでしょう。不便さの先には国民というユーザーがいるわけですが、仕事の仕方を適切に変えることも行政の重要な役割だと、評価するようにしないといけません。