なぜ上司や同僚は冷たい反応だったのか
会社の事情や職場の仲間の気持ちも考えよう

「ちょっと、いいかな?」

 上司に報告した翌日、5つ先輩のGさんが声をかけてくれました。考えてみればGさんは既婚者。彼に相談すれはよかったと、今さらながら後悔の念が沸いてきました。とりあえず、2人で昼休みにランチすることにしました。

「職場の上司や同僚を呼ばないことで怒っている奴は誰もいないよ。ただ、上司は部下が結婚することを把握していないと、マネジメント上問題と指摘される可能性がある。呼ばなくていいから、早めに知りたい。これが本音だと思う」

 Gさんからはこんな指摘が飛んできました。ちなみにこの会社では上司が定期的に部下の冠婚葬祭を確認して人事部に報告することになっており、その報告が抜けていたり、直前だったりすると、

< 上司として部下の把握ができていない。マイナスポイント>

 と厳しい評価を受けることになっています。ゆえに顔つきが変わったのです。

 さらに言えば、早めに報告がないのは「誰かに情報を流すのでは…」というDさんの気持ちの裏返しで、自分は信用されていないのではないかと上司は残念な気持ちになっていたかもしれないとのこと。こうした指摘を受けて、Dさんはいかに自分が身勝手な判断しかできなかったか、反省する機会になりました。

 そこで、すぐに上司に対して非礼を詫びに行きました。すると、

「気にするな。それより、披露宴の写真とか見せてくれよ」

 と、やさしい言葉が返ってきました。同僚に対しても同じように詫びて、

「今度、嫁を呼びますので、ランチしながら顔を見てやってください」

 と伝えたところ、「だったら、奥さんの友達も呼んでもらって、合コンしよう」などと、脱線した話題にまで至り、気まずい関係には終止符が打てたようです。

 さて、結婚に際して職場の上司や同僚を呼ばないことは決していけないことではありません。それは個人の判断で決めればいいこと。

 ただ、社内ではお祝いの手続きなどもあり、早めに知りたい事情があることに加えて、「同じ職場の仲間として隠すことでもないので、早めに教えてほしい」と思う周囲の気持ちには配慮して、対応をすべきかもしれません。

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