
プルデンシャル生命保険の営業社員による違法な販売実態や、投資目的で金銭をだまし取るケースが相次いで発覚している。プルデンシャル生命は営業社員の不祥事に対し、どこまで責任を負うべきなのか。連載『ダイヤモンド保険ラボ』の本稿では、金銭をだまし取られた顧客がプルデンシャル生命に対して起こした損害賠償請求訴訟で明らかになった、投資勧誘のスキームとプルデンシャル生命の言い分を詳報する。(ダイヤモンド編集部取材班)
顧客から約2000万円をだまし取った
元社員が逮捕されない理由
外資系生命保険大手のプルデンシャル生命保険で、ライフプランナーと呼ばれる営業社員による不祥事が続いている。
2024年6月、投資目的で金銭をだまし取ったとして金沢支社に所属していた元社員が逮捕されたほか、24年9月にも汐留支社に所属していた元社員が逮捕された。
また『【独自】プルデンシャルがひた隠す「投資トラブル」全6件の全容判明!濱田会長の引責辞任は不可避だった』で詳報したように、会社が公表していない顧客との投資トラブルが、複数発生していたことも分かった。
だが、プルデンシャル生命が抱える投資トラブルはこれだけではなかった。元営業社員が、投資目的で顧客から金銭をだまし取り、訴訟に発展した事案があったことが、ダイヤモンド編集部の取材で新たに分かった。
本事案が特殊なのは、営業社員はすでに死亡しており、金銭をだまし取られた顧客はプルデンシャル生命を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こした点だ。
原告である顧客が、プルデンシャル生命に求めた損害賠償額は2744万5000円。結論からいうと、原告である顧客の請求は棄却され、プルデンシャル生命の責任は不問となった。
ダイヤモンド編集部は訴状と、原告と被告の双方の準備書面を入手。そこから浮かび上がったのは、プルデンシャル生命のライフプランナーによる、やりたい放題ともいえる手口だ。また、「おっさん投資案件」という金銭詐取スキームも明らかになった。次のページでは、その手口の詳細と、プルデンシャル生命の主張を紹介する。







