スタートアップ最前線#14Photo:123RF

株式市場において、売買代金は極めて重要な意味を持つ。商いが活発な銘柄は、投資家が売りたいとき、買いたいときにスムーズに取引できる。一方で、売買代金が極端に少ない銘柄では、自身の注文が株価を大きく動かしてしまうリスクをはらむ。売買代金の多寡は、市場における「人気」と「注目度」のバロメーターだ。長期連載『スタートアップ最前線』では、1日当たり平均売買代金を基に「投資家の注目度が高い」新興市場上場企業をランキング化した。全50社の顔触れを紹介する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

投資家の熱量を測る売買代金
人気銘柄を測る重要な指標

 買いたい人がいなければ、株式市場で売買は成立しない。市場で株式を買う投資家は、その会社に成長性があると見込んだり、実力よりも割安だと判断したりして資金を投じる。つまり売買代金の多寡は、「どれだけ多くの投資家が関心を寄せているか」を示す重要な指標なのである。

 今回は「投資家の注目度が高い」新興市場上場企業ランキングとして、売買代金の多い会社に着目した。対象は東証グロース、札証アンビシャス、名証ネクスト、福証Q-Boardに上場する企業である。12月15日までの直近25営業日における合計売買代金から、1日当たり平均売買代金を算出し、多い順に順位付けを行った。

 投資家の注目度が高い銘柄をピックアップできるかどうか確認するため、新興市場以外も含む全上場企業を見ておこう。1日当たりの平均売買代金で1位はソフトバンクグループで4.4兆円、2位はキオクシアホールディングスで4.1兆円だった。1兆円を超す銘柄は7社あり、アドバンテスト(2.0兆円)や三菱UFJフィナンシャル・グループ(1.1兆円)など、日本を代表する注目企業が名を連ねている。

 今回取り上げる新興市場のトップ50社の中には、スポットワーク(隙間バイト)のタイミーや、大手スーパーの西友買収で耳目を引いたトライアルホールディングス(HD)といった有力企業も名を連ねた。

 投資家の視線が注がれる50社の実名を、次ページで確認していこう。