【ワシントン】米民主党が連邦議会上院の支配を握り、ジョー・バイデン次期大統領は法人や高所得世帯に対する増税計画を実現できる可能性が飛躍的に高まった。
今週のジョージア州決選投票まで、バイデン氏の増税計画には共和党支配下の上院の抵抗が立ちはだかっていた。だが今や、民主党は10余年ぶりでホワイトハウスと上下両院を同時に掌握することになり、その力を行使する構えだ。
バイデン氏は大統領選で、法人税や遺産税、高所得世帯向けの税率の引き上げを提案。2017年に共和党が成立させた減税の主要項目を撤回し、オバマ政権が議会を通過させられなかった政策を復活させる方針を示した。民主党は11月の大統領選から今週の上院決選投票までの期間、超党派的な妥協を探り、政権が単独で実施できることを検討してきた。
税制・経済政策研究所のスティーブ・ワムホフ氏は、ここに来てバイデン氏の法案が複数成立する公算がはるかに高くなったとみる。バイデン氏の計画は一部の民主党議員による代替案ほど広範ではなく、国民に広く支持されているという。
「問題は常々、民主党が何かを審議に持ち込めるかどうかだった。現在その答えは、明らかにイエスだ」とワムホフ氏は言い、「バイデン氏は法人増税と富裕層の増税を訴えかけ、勝利した」と続けた。