今日までつけてこなかった事実は覆しようがないので、具体的なプランを述べつつ、そのネクタイをいかに特別視しているかを伝えたいところ。たとえば、こんな感じでしょうか。

「最高のネクタイのデビューにふさわしい、最高の晴れ舞台をずっと考えていたんです。来週、A社ででかいプレゼンがあるので、そのときの勝負ネクタイにさせてください」

「ネクタイの魅力を最大限に引き立てるジャケットと合わせたいと思って、今、あちこちのショップでいいのを探し回ってるんです」

 ここまで言えば、上司も満足するはず。ただし、都合よく晴れ舞台があるとは限らないし、あわててジャケットを買う羽目になったりもします。上司からにせよ彼女や妻からにせよ、この手のプレゼントは早めに使うのが、人生を無駄にややこしくしない鉄則といえるでしょう。

言い訳の極意

 その品への思いの深さを
 具体的に述べることで
 相手の不満をけ散らす――
 それもまた言い訳なり


講師
石原 壮一郎さん

1963年三重県生まれ。日本の大人シーンを牽引するコラムニスト。最新刊は『恥をかかない コミュマスター養成ドリル』(扶桑社)

石原 壮一郎さん

[MEN’S EX 2021年1・2・3月合併号の記事を再構成]
​(スタッフクレジットは本誌に記載)

「私があげたネクタイ気に入らなかった?」と言われたときの対処法