2020年12月10日にナスダックに上場したエアビーアンドビー。時価総額は1000億ドルを超えた
2020年12月10日にナスダックに上場したエアビーアンドビー。時価総額は1000億ドルを超えた Photo:Bloomberg/gettyimages

 672億ドル(約17兆円)、454社――。何の数字か想像できるだろうか。これは、昨年米国で新興企業が上場して調達した総額と、その企業数である。

 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、経済はズタズタになっているはずなのに、一体何が起きているのだろうか。確かに2020年春以来、世界経済は大きな混乱に見舞われている。

 シリコンバレーも例外ではなく、日本との往来はストップ。日本からは多くの懸念の声が寄せられた。ベンチャー投資がストップしてしまうのではないか、投資先のスタートアップ企業が倒産しないか、また急成長していた企業が経営難に陥るのではないかなどだ。

 そこで3月早々、私のベンチャーキャピタル(VC)に関わる日本企業の経営トップに、次のような手紙を送った。

「今回は、過去の経済危機と違い、新型コロナウイルスという、金融に直接関係のない原因で産業エコシステムが崩壊したことと、人々の不安による需要の縮退が特徴だ」

「新型コロナの世界的流行は深刻だが、経済的な観点からは冷静に見るべきだ。その産業への影響は騒がれているほど長期的ではないというシナリオも考えるべきで、分野によっては事業活動が比較的早く戻ることもあり得る。また、需要も、人々のヒステリーが落ち着けば、意外に早い回復に転じる可能性もある」

 実際、この「意外に早い回復」は、株式市場の活況とテクノロジー企業の成長という形で現れた。