ドナルド・トランプ米大統領の任期が残りわずかとなる中、世界で最も困難な仕事はホワイトハウスの法律顧問かもしれない。その任にあるパット・シポロン氏は、辞任して周囲から称賛されるというもっと楽な道があるのに、法律顧問の役目を果たし続けている。われわれはそのことに感謝の意を示したい。トランプ氏が来週何をするかは誰も予測できない。そしてトランプ氏はしばしば、彼の法律顧問のアドバイスを無視し、ルディ・ジュリアーニ氏のような日和見主義のひどい弁護士の意見に従う。その好例は、1月6日に行われた大統領選挙人団の投票結果の確認をマイク・ペンス副大統領が覆せると、トランプ氏が信じていたように思えたことだ。トランプ氏が、退任時に自身に恩赦を与えるなど、悪い決断をし続ける可能性はある。その場合、バイデン政権の司法省が恩赦に異議を唱えるため、何らかの理由でトランプ氏を提訴しようとする公算が大きくなる。訴訟は連邦最高裁にまで持ち込まれる可能性がある。最高裁は、憲法の恩赦条項について解釈の余地の大きい文言に新たな制限を加える可能性がある。