新型コロナウイルス感染拡大により、多くの企業が打撃を受けた2020年。電機業界各社もご多分に漏れず、厳しい戦いを強いられた一年だった。21年の業界はどうなるのか。カギは、密接な関係にある自動車業界にあるといえそうだ。(クリアリーフ総研代表取締役 高橋潤一郎)
19年は米中貿易摩擦、20年はコロナ
「自動車」の不振が電機業界にも影響
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、多くの業界に打撃を与えた。電機・エレクトロニクス業界も例外ではなかった。5Gの普及による半導体投資の拡大、テレワークの広がりによるパソコン市場の活況などいくつか追い風もあったが、総じて厳しい1年だったことに変わりはない。
なかでも、大きな影響をもたらしたのは自動車業界の動向だった。自動車市場はいまや電機業界と密接なつながりがある。「CASE」に集約されるように、EV(電気自動車)や自動運転化などの広がりから、いまや自動車は、電子機器と言っても過言ではない。自動車市場向けに注力している電子部品メーカーも少なくない。自動車業界の不振は電機業界にとっても大きな打撃だった。