韓国と同じ土俵では
米国を納得させられない

 米国をはじめ世界各国には韓国から移住した人が多く、日韓問題となると大きな声を上げる。その声を乗り越え、各国の政治家に日本の主張を理解してもらうためには、それぞれの国にあった最も有効な論理で、一般の人々が納得する主張を行う必要がある。米国において有効な論理は、「文在寅政権の韓国が、普通の民主主義国家と比べて異質な存在となってしまった」という点だろう。

 1月8日にソウル中央地裁で出た、慰安婦問題の判決は国際的には認められないものであろう。判決では、国際慣習法で認められ、国際司法裁判所も尊重している主権免除を認めていない。さらに日本が行ったのは反人権行為であるとして一方的に非難した。

 13日に予定していた別の判決日程が延期となったのも、裁判長が8日に下された予想外の判決に困惑したからではないかと想像する。憲法を超越する「国民情緒法」があるといわれる韓国で、市民団体に厳しい判決を行うことは容易ではなく、まして8日の判決と異なる慰安婦に不利な判決を行うことは、裁判官としてできなかったのだろう。

 また、8日の判決はこれまでの慰安婦問題に関する日本側の誠意ある取り組みを全く無視するものである。この裁判を取り仕切ったキム・ジョンゴン部長判事はあらかじめ結論を決めつけ、それに沿った裁判となるよう原告を誘導していったといわれる。

 しかし、日本政府が米国政府に対し、「今回の裁判のやり方は不適切であった」と主張しても説得はできないであろう。米国では三権分立がしっかりしており、その権威は絶対的である。判決に不満があれば控訴して争うべきと言われるだけだ。国際司法裁判所に行く手もある。いずれにせよ、政府や国会議員が裁判への不満を言うことは効果的ではない。

 むしろ日本がこれまでいかに誠意を持ってこの問題に取り組んできたかを説明する方が効果的である。韓国側はこれまで幾度となく「ちゃぶ台返し」をしてきたばかりではなく、正義連の前理事長である尹美香(ユン・ミヒャン)氏の寄付金横領事件が物語るように、寄付金を集めるために慰安婦問題の決着を妨害してきた。