米どころの筑後平野で1922年に創業。蔵は小石原川に面して立つ。モットーは「米の持ち味を醸し出す酒造り」
米どころの筑後平野で1922年に創業。蔵は小石原川に面して立つ。モットーは「米の持ち味を醸し出す酒造り」 Photo by Yohko Yamamoto

米も味わいもバラエティ豊かな
99%純米酒蔵

 日本酒のラベルといえば漢字が当たり前だった2006年、楽しいイラストの季節限定酒が登場した。春は四つ葉のクローバー、夏はセミ、秋はポルチーニ茸で、それぞれイタリア語が添えてある。

 企画したのは福岡県三井郡のみいの寿蔵元杜氏の井上宰継さんだ。

 業界に新風を吹き込み、イタリアンラベルと呼ばれて15年たつ。

 1983年、蔵は純米酒にシフトした。「福岡市とフランスのボルドー市が姉妹都市になり、父が渡仏。ワインの五大シャトーを見て回り、“本物の日本酒を造れば小さな蔵でも売れる”と確信したのです」。

 大量生産型の機械設備を捨て、純米酒造りに専念。その後、宰継さんが杜氏になり、全ての酒が大吟醸や純米などの特定名称酒になった。しかも99%を純米酒が占め、残りの1%は清酒鑑評会用の大吟醸のみという潔さだ。

 米力を強化し、農家と連携。山田錦は福岡県糸島産、熊本県の無農薬栽培米を確保する。その他に、八女産の吟のさとや地元の夢一献、県外産の雄町や酒未来。さらに、80年前の米で12粒から復活栽培した穀良都もとバラエティに富む。

 酒はフレッシュなタイプからフルボディタイプまで、宰継さんは器用にこなす。

「食べることが大好き! さまざまな人に季節や場面に合わせた酒を提案したい。一番人気の『+14 大辛口』は米のうま味が際立つ辛口で、実はラベルが表と裏で違うダブルA面仕様。したいことがいっぱいで(笑)、守備範囲の広さと友達の多さが自慢です!」

三井の寿 +14 大辛口 純米吟醸
三井の寿 +14 大辛口 純米吟醸
●みいの寿・福岡県三井郡大刀洗町大字栄田1067-2●代表銘柄:三井の寿 純米大吟醸、三井の寿 純米吟醸、辛釀美田山廃純米●杜氏:井上宰継●主要な米の品種:山田錦、吟のさと、夢一献、雄町、酒未来