2020年の惨状を基準にすれば、中国の2.3%という成長率は傑出している。この調子で21年も力強い成長を遂げそうだが、その後には以前から抱える問題に再び直面するだろう。18日発表された通年の公式統計では、2020年は世界経済が最近の記憶で最悪の1年となる中で、中国経済が着実に回復したことが裏付けられた。その一因は、初動こそまずかったものの新型コロナウイルスの封じ込めに向けうまく対処したことにある。だが、運にも恵まれた。ビジネスサイクルが追い風になったほか、主要な輸出部門であるエレクトロニクス業界には感染拡大に関連した需要が先進国から舞い込んだ。当時はさほど注目されていなかったが、中国経済は2019年終盤時点で、エレクトロニクスと自動車という最大かつ最も労働集約型の製造業セクターの復活を受けてすでに活況に沸いていた。特にエレクトロニクス業界は、まずは世界のスマホ出荷の回復、次いで自宅で過ごすための製品に対する需要急増で押し上げられた。
一人気を吐く中国経済、特需は長続きせず
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