ポストコロナの企業再生はポストコロナの企業再生はどうすべきか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

コロナ禍で過剰債務状態に陥った企業は少なくない。ポストコロナで、こうした企業を再生し、日本経済を復興させるには、事業再生ファンドの活用が不可欠だ。その理由や現在の状況などを解説する。(ニューホライズン キャピタル 代表取締役会長 安東泰志)

倒産件数は極端に増えていない
でも企業は過剰債務状態にある

 終わりの見えない新型コロナウイルスとの戦いは間もなく2年目を迎えようとしている。昨年4月に続き、今月から再び緊急事態宣言が発出されるに至り、一部の業種を除き、多くの企業で売り上げが大きく減少することは避けられない。

 加えて、今回の不況は周期的な経済変動によるものではないだけに、仮に将来新型コロナウイルスが終息したとしても、その間に失われた売り上げや利益が取り返せるというものではない。それどころか、コロナ禍の間に定着しつつある「新しい生活様式」に対応しきれていない企業の場合、「コロナ後」も「コロナ前」の売り上げや利益にさえ戻るとは限らない。

 そんな中でも、全国企業の倒産件数は極端に増えていない。東京商工リサーチによれば、2020年11月の倒産件数(負債額1000万円以上)は前年同月比で21%以上減少、2020年12月の倒産件数(同)は前年同月比20.7%減し、いずれも過去50年間で2番目に少なかったとされる。