コロナ禍に起こった生活様式の変化を追い風に、ホームセンター業界各社の業績は好調だ。一方で昨年は、島忠をめぐるDCMとニトリの買収合戦に見られるように、業界再編の動きがさらに加速した1年だった。激変するホームセンター業界を展望する。(フリーライター 長浜淳之介)
ホームセンターにとって
激変の年だった2020年
新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況下、ホームセンター業界はどこ吹く風の好調ぶりだ。ホームセンターはDIY用品をはじめ、家庭用品、金物、家電、ペット用品、園芸用品などを幅広く取りそろえるが、リモートワークが定着し、巣ごもり消費が拡大しているのが追い風となっている。
直近の主要ホームセンターの既存店売上高は、DCMホールディングス(3~12月)8.5%増、コーナン商事(3~12月)11.4%増、コメリ(4~12月)9.6%増、ナフコ(4~12月)10.0%増、アークランドサカモト(3~12月)14.6%増などとなっており、緊急事態宣言以降、各社平均すれば10%前後の伸び率である。
その一方で、昨年11月には、業界9位のアークランドサカモトが6位のLIXILビバ(現・ビバホーム)を、小が大をのみ込む異例の買収。また、業界7位の島忠をめぐって、業界2位の DCMと、家具業界1位のニトリホールディングスの争奪戦となったが、これはニトリが勝利し、12月末にTOBが成立したことを正式に発表した。このように、業界の垣根を越えた、業界再編も起こっている。