かつて中国一の富豪の座に上り詰めた電子商取引大手アリババグループの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏がしばらくぶりに公の場に姿を現した。だが、マー氏が抱える本当のトラブル――そして同氏のビジネス帝国のトラブル――は、まだほんの始まりにすぎないのかもしれない。マー氏は20日、約3カ月ぶりに公の場に現れ、オンラインの慈善事業イベントで地方の教師らに話しかけた。マー氏は10月の講演が中国の規制当局者の怒りをかい、それを最後に姿を消したために、居所を巡って臆測が飛び交っていた。その後、アリババグループ傘下でマー氏が支配株主であるフィンテック企業、アント・グループが予定していた過去最大規模の新規株式公開(IPO)が直前に中止された。中国の独占禁止法当局は先月、アリババの事業慣行を巡る調査を開始した。