【ツビッカウ(ドイツ)】フォルクスワーゲン(VW)は自動車業界最大の賭けとなる電気自動車(EV)に5年の歳月と500億ドル(約5兆1800億円)近くを費やしてきた。新型EV「ID.3」が組み立てラインから出てくる中、ヘルベルト・ディースVW最高経営責任者(CEO)と来賓のアンゲラ・メルケル独首相は期待を膨らませて立っていた。ID.3は米テスラのEVに対抗するドイツ待望の車だ。  約1年前にVWの主力EV工場で行われたそのイベントは「内燃機関からEVへの組織的なシフト」を意味するものだった、とID.3の開発を指揮するトーマス・ウルブリッヒ氏は語った。