それは事実関係を確認することであって、決して裁判所に対する司法介入にはならないだろう。慰安婦団体だけの主張で判断することが正しい裁判とも思えない。その政府側の窓口となるべき外交通商部がその事実を知らなかったのには驚愕した。

 文在寅氏は、これまでの自身の主張に有利な慰安婦判決を受け入れ、これを日本への圧力として利用してきた。しかし、今回の判決は非常に悪いタイミングで出され、しかも日韓関係の改善努力を無にしかねない内容であった。こうした判決が出るとは青瓦台や外交部も予想していなかったのであろう。そのため文在寅氏にとっても司法府の独走と映り、困り果てたのである。ただ、担当の裁判長にして見れば、これは文政権が期待する判決と考えたのであろう。

 朝鮮日報は、文在寅氏の外交はアマチュア外交だと評した。これは対北朝鮮ビラ禁止法に関連し述べたことであるが、「戦略を立てて動くのではなく、先に動いて問題を起こし、後からこれを解決しようというのはアマチュアなやり方だ。もしそれをまともに解決できなければ三流だ」と述べた。まさに慰安婦問題における外交がその典型である。

 文政権は、客観的な事実を率直に見つめて政策方針を決定することができていない。その原因となっているのは文在寅氏であり、それ以上に文在寅氏を取り巻く運動圏(左派の市民学生運動勢力)の人々である。

姜大使が果たすべき
最大の役割とは

 姜昌一大使が22日、着任した。

 姜大使は韓国では知日派として知られ、文大統領が日韓関係改善の役割を期待して送り込んだ人物である。しかし、同大使を迎える日本側の対応は冷たいものがある。首相と外相が当面面会しない意向であると産経新聞が報じたことは前述のとおりである。

 この報道に接した姜大使は、「いま良いメッセージを持っていくのに会わないわけがない。日本はそんなケチな国ではない。メディアが悪ふざけをしているのだ」と述べたという。

 赴任前から日本のメディアに上から目線で挑戦状をたたきつけることが、大使としての活動にプラスになるとは思えない。