東京男子御三家に比肩する駒場東邦は難関校で出願者を増やしている数少ない学校の一つ

出願者数を増やした駒場東邦

 例年ならば、11月に実施された大手四模試の志願者状況を見ることで実倍率の増減を読むことができた。ところが、2021年入試では12月段階でも少し動きがあり、緊急事態宣言の再発令後からもさらに動きがあったこともあり、その動向を的確に読むことがいささか難しい。

 それでも、先行した埼玉と千葉の出願状況から、難関校へのチャレンジ受験減と後半の入試日の出願数減、渋谷教育学園幕張の例年より少し易化した入試での得点減という学力不足の問題といった傾向がうかがえた。感染リスクの回避に加えて、確実に合格を狙う安全志向という昨今の大学入試でも見られた傾向が中学入試にも色濃く反映するようになった点が感慨深い。これは受験生1人あたり出願校数の減少につながる動きでもある。

 今回は、前後編に分けて、東京と神奈川の各校1回目の入試を中心に見ていきたい。多くの学校は2月1日午前に実施されるが、1日午後や2日、3日という学校もわずかにある。四谷大塚第6回合不合判定80偏差値に基づき、各入試を5刻みでランク分けし、最難関のAランク(偏差値65~)からGランク(同~44)までその動向を記した。

 まずは男子受験生の難関校がそろう偏差値60台のA・Bランクから見ていこう。ここでいう実倍率とは2020年の実績値であり、予想倍率とは12月模試の志願者数の増減が1割以上だった入試に対してつけた数値である。

 前回までの連載記事でもお伝えしてきたが、難関校では総じて志願者が1割ほど減少する傾向が見られる。とはいえ、すでに出願を締め切った東京男子御三家出願者数の前年比増減を見ると、開成2%減、麻布13%減、武蔵3%減となった。麻布以外は最後の数日でだいぶ押し戻してほぼ前年並みである。

 御三家と並ぶ駒場東邦では、出願締め切り1週間前の段階ですでに前年実績を超え、まだまだ積み増している。麻布とどちらを受けるか検討する傾向も強く、麻布から志願者が流れた様子が見てとれる。ここ数年は実倍率2.0倍と受けやすく、東京大合格実績もアピールした結果とみられる。予想倍率は2.2倍だが、それを上回るかもしれない。共学校では渋谷教育学園渋谷(渋渋)の出願者動向が前年を上回る勢いにあり、2020年の実倍率3.0倍よりも厳しくなりそうだ。